近年、語学留学先としても人気のフィリピン。同じアジア圏の国でも英語話者数はアメリカ、イギリスなどに続き世界のトップ5の中に入ります。なぜ、フィリピンには英語話者が多いのでしょうか?
英語が得意なアジアの国の代表、フィリピンの英語学習の特徴などを紹介します。
フィリピンってどんな国?母国語は?
フィリピンは東南アジアに位置し、7,000以上の島々からなる国です。言語はフィリピン語(タガログ語)で公用語はフィリピン語(タガログ語)と英語です。
また、島や地域によっての言語が170以上もあり、スペイン植民地だった事からスペイン語が話せる方も多い国です。300年以上もスペイン統治化だった為、国語のフィリピン語(タガログ語)の中にもスペイン語と似ている単語が多く、フィリピンの通貨は今でもフィリピン・ペソ、人の苗字も「サントス(Santos)」、「ガルシア(Garcia)」などラテン風の苗字が多い事も特徴です。
その後アメリカが統治し、アメリカ政府がフィリピンの英語教育に力を入れました。フィリピンが英語に強い国になった背景には、長期間において植民地化されていた時代が長い事にも由来しているのです。
フィリピンで行われている英語教育は?
フィリピンの義務教育は5歳~17歳の13年間です。英語教育は全学年で取り入れられています。英語を学ぶ授業のほか、小学校高学年になるにつれて他の科目も英語で授業を行うようになります。グループワークなどで生徒自身が英語で意見をまとめ英語で発表するなど、アクティブラーニングが行われています。
学校以外でも、英語を使う環境も街にあふれています。母語の数が多いフィリピンでは、地域の言語が異なるとフィリピン人同士でもうまくコミュニケーションが取れない事もあり、フィリピン人同士であっても英語で会話する機会も有ります。
映画館にいけば字幕なし+英語音声で映画が放映されていたり、街の看板なども英語で書かれていたりする事も多いです。
しかし、富裕層と貧困層の家庭では状況が異なり、問題点や課題も有ります。貧困層の家庭では子供であっても家計を支える働き手として数えられる為、学校に行く事がままならず退学してしまう子も少なくないのが現状です。
英語が将来の仕事に影響する

フィリピンの人達が英語を熱心に学ぶ理由のひとつに、将来の仕事に英語が必要になってくるからという事も挙げられます。海外への出稼ぎ労働者が多く、彼らからの送金額はGDPの約1割に達しています。
また、フィリピンではコールセンターのようなアウトソーシングビジネスが盛んで、アメリカの企業が多くフィリピンに進出しています。そして、フィリピン留学が安価で人気な事もあり、英会話講師として働く事も出来ます。
英語を話せると、その分より良い仕事を得られるチャンスにつながる為、英語を学ぶ意識向上にもつながっていると言えます。
フィリピンの英語教育事情から学ぶ事
セブ島やマニラなどのフィリピンの観光地へ行くと、現地の方々が英語を話して積極的にコミュニケーションを取っている姿を目にすると思います。年代にもよりますが、私達日本人も中学校・高校で6年間は英語を学んでいます。
しかし、学校の教育だけでは「読み・書き」が出来ても、中々英語が話す事が出来ていません。英語の授業の中で自分が英語を発する時間は6年間の中に何時間も無かったのではないでしょうか。
2020年から英語教育が義務化となりますが、今から少しずつでもいいので、口から英語を発する練習と自分の考えをまとめ自発的に発言できる力を養う練習をするようにしましょう。