トレーニング初心者が、効果的なトレーニングを行うには、トレーニングの順番、そしてトレーニングのフォームに注意する必要があります。そしてさらにトレーニングを効果的にするには、さらに一つ重要な要素があります。
それは、トレーニングの強度や負荷をきちんと考える事です。トレーニングの効果を高めるためには強度や負荷についてきちんと知っておきましょう。
この負荷について知っておけば、忙しくてトレーニングの時間がなくとも、効果的にトレーニングになります。
トレーニングの負荷を設定する方法

トレーニングの負荷を考える視点として、大きく3つあります。
- 重量
- 回数
- 主観的な強度
これらの負荷は、どれをまず考えるかは目的によって変わります。自分がどのように鍛えたいか、どのような体になりたいのかをまずは考えてみましょう。
重量による設定
重量による設定は、最大筋力を向上させたり、筋肉を大きくしたい時に使います。これらの目的にあわせたトレーニング効果を最大限にするために、トレーニングの時の重さを決めます。
重要なのは自分が1回だけ持ち上げられる重さを知る事です。
これは1RM(Reptition Maximum)と呼ばれています。
この1RMを100%として、トレーニングの1セットでの重さを上げる回数を決める事が重要です。
ただ、1RMは自分がギリギリ持ち上げられる重さの為、1RMを1回だけ上げて測定しようとするのは危ないです。決して一人で上げられる重さを測定しようとしないでください。
1RMは、1回だけを持ち上げて測らなくとも、測定する方法があります。まずは下の表を見て下さい。左は1RMの%、右が上げた回数になります。
1RMの% | 回数 | 1RMの% | 回数 |
100% | 1回 | 77% | 9回 |
95% | 2回 | 75% | 10回 |
93% | 3回 | 70% | 12回 |
90% | 4回 | 67% | 15回 |
87% | 5回 | 65% | 18回 |
85% | 6回 | 60% | 20回 |
80% | 8回 | 60%未満 | 21回以上 |
出典:日本トレーニング指導者協会:トレーニング指導者テキスト理論編,大修館出版
上記の表で100kgを8回持ち上げる事が出来れば、1RMは125kgとなります。
ただこれを計算するのが毎回面倒なので、1RMを算出する表を作成しました。持ち上げた重さと回数で自分の1RMを確認して下さい。(重さは小数点以下は切り上げています)
100kg | 90kg | 80kg | 70kg | 60kg | 50kg | 40kg | 30kg | 20kg | |
1回 | 100 | 90 | 80 | 70 | 60 | 50 | 40 | 30 | 20 |
2回 | 105 | 95 | 84 | 74 | 63 | 53 | 42 | 32 | 21 |
3回 | 108 | 97 | 86 | 75 | 65 | 54 | 43 | 32 | 22 |
4回 | 111 | 100 | 89 | 78 | 67 | 56 | 44 | 33 | 22 |
5回 | 115 | 103 | 92 | 80 | 69 | 57 | 46 | 34 | 23 |
6回 | 118 | 106 | 94 | 82 | 71 | 59 | 47 | 35 | 24 |
8回 | 125 | 113 | 100 | 88 | 75 | 63 | 50 | 38 | 25 |
9回 | 130 | 117 | 104 | 91 | 78 | 65 | 52 | 39 | 26 |
10回 | 133 | 120 | 107 | 93 | 80 | 67 | 53 | 40 | 27 |
12回 | 143 | 129 | 114 | 100 | 86 | 71 | 57 | 43 | 29 |
15回 | 149 | 134 | 119 | 104 | 90 | 75 | 60 | 45 | 30 |
18回 | 154 | 138 | 123 | 108 | 92 | 77 | 62 | 46 | 31 |
20回 | 167 | 150 | 133 | 117 | 100 | 83 | 67 | 50 | 33 |
測定の時は、5~10回程度の負荷で、フォームが安定しなくなるまえに終了する重さではかりましょう。
初心者がトレーニングをする時は、ぶれる場合がありますが、おおまかな数字がわかるかと思います。
なお、トレーニングする人に「どれぐらいの重さを持ち上げられますか?」と聞くと、この1RMと答えたり、10回程度上がる回数を答える場合がありますので「1RMは何キロですか?」と聞くといいと思います。
さて、自分の1RMが確認できたら、この後の「目的に合わせた効果的なトレーニングの重さ1セットあたりの重さ」で目的に合わせた重さを上げる回数について確認しましょう。
トレーニングを効果的に行うには、重量による1RMの算出が不可欠。
自分の体の部位別に1RMを確認しておく。
回数による設定
筋肉の持久力をあげる為には、「低重量と多くの回数」のトレーニングが原則です。例えば、腕立て伏せや腹筋などもそうですね。
この時は、例えば腕立て伏せの反復が一定時間の中で限界に達する回数を1RMとして、その半分の回数を負荷とします。
主観的強度
重量や回数では厳しい場合、主観的強度を用いる場合があります。例えば腕立て伏せは腕がどこまで曲がるか、どこまで体を床に近づけられるかによる自分が感じたきつさで強度を決める方法です。
目的に合わせた効果的なトレーニングの重さ
トレーニングの目的として、筋持久力をあげたい、筋肉を大きくしたい(筋肥大)、筋力の増加をしたいといった3つの目的に合わせて、重量によって算出した1RMをもとに何回重さを持ち上げるかを設定してきましょう。
筋持久力を上げるには
筋持久力を伸ばすには、1RMの20~40%ぐらいで15~20回ぐらいやります。
筋力トレーニングのスタジオレッスンはこれがあたります。スタジオレッスンでは、5分間のベンチプレスやスクワットをするので、筋持久力を伸ばすには適したトレーニングとも言えます。
筋肥大をして体を大きくするには
体を大きくしたり、筋肉を大きくするには1RMの70%~85%ぐらいの重さでトレーニングしましょう。
筋力を上げるには
筋力の向上は、運動に使う筋肉を増やして、力が発揮されるまでの時間を短くしたりできます。この筋力の向上は1RMの85%の高重量を1~5回持ち上げます。
目的によって1RMのどれぐらいの重さを何回持ち上げればいいかが変わる。
これらの重さは、最初から最後までやる必要はありません。
例えば、徐々に重さを増やして重くしていく方法や最初は重くして持ち上げられなくなったら徐々に軽くするといった方法があります。自分にあったトレーニングをいろいろ試してみましょう。
