雑記

大学への全額の学費返還は諸刃の剣ではないか

新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、大学はオンライン授業に移行している大学が多いと聞きます。そんな中、5月11日の大学生のツイートで7万以上のリツイートと14万ものイイねがついたこんなツイートがありました。

https://twitter.com/06ySMOZNgt2uD4x/status/1259503238816002048

大学を卒業する=学位を取得するには124単位以上を取得する必要があります。今回のケースは殆どの単位を取り終えて、さらに授業を受けようと思ったらダメと言われたケースですね。

大学によって卒業に必要な単位は異なります。国が定めた卒業単位は124というだけで、130単位を卒業の必要な単位としている大学もあります。

ただ、学生ならではといいますか、要求がストレートでいいのですが、学費を全額返せという要求は大学側が反撃したらどうするのだろうと心配になります。

多摩美術大学の学費はこちらです。4年生だと施設費等も含めて160-170万ぐらいですね。

学費の返還と大学の反撃

4~5月に学生から大学に対して、学費の返還や減額を求める意見をSNSでよく見かけます。その理由として、施設が使えない、授業の質が低いといったものです。

これには色んな意見や反論があるでしょう。例えば大学側だと施設であればオンライン授業のために施設費が例年よりかかっている、保守点検・清掃費用も入っているといった事です。

ただ授業の質が低いはオンライン授業が始まってすらいないのに、最初から質が低いとの主張はちょっと早すぎる気もします。

大学はサンドバックか?

今までにない事態に大学は様々な支援をしているようです。例えばこんな記事がありますね。

学生はお金を払っているのだから、意見を主張する権利がある事は否定はしません。しかしたまに行き過ぎている主張を見かけるとこんな事を思うのです。

これだと契約が違うというのかもしれませんが、大学は全て善意の組織ではないです。そして、学生が意見を言うから全て飲み込むわけではありませんね。

話はちょっとずれますが自分の指導教官に話を聞くと、学生闘争の時は大学に数か月も入れずに、唐突にレポート課題だけきて、2週間で全てのレポートを書き上げて単位を取得したらしいですね。

学費は単年度か4年間か

多摩美は芸術系大学という特異性はありますが、同じ日本の大学という枠組みでみると早稲田大学の学費に対する考え方は興味深いものがあります。

大学の学費とは、皆さんが入学してから卒業・修了するため教育・研究にかかる費用を数年間の学費として平準化して納めていただいているという性質を持つ

つまり学費は年間ではなく4年間でみるよという事で、今回は4年生なので、既に教育を受けているから学費を払いなさいと言えてしまいますね。

多摩美の教育機会の均等と平等さ

多摩美の今回のケースは、おそらく在学生、特に4年生がきちんと単位を取得して卒業できるようと決めた制度ではないかと思います。

単位を沢山取っている人が授業をさらに取り、他の人が卒業できないケースはあってはならないのです。学生は自分の個として物事を見ますが、大学という組織は全体を見ないといけません。ここのギャップや説明不足が不安や不満を生んでしまうのでしょう。

新型コロナウイルスで今までにない事態ですが、自分だけではなく他の人の事もきちんと考え、想像した上で意見を言う、主張する事が必要なのだと思います。