子育て

小学生の宿題で標語の作成にマンダラートを使ってみた

小学校の宿題で意見主張を簡潔にした標語を作ろうというものが出るときがあります。そして今回、埼玉県の小学校に出たものが「人権メッセージ」という標語を作ろうという宿題です。

小学校によっては、標語を作る事は任意かもしれませんが、子供が通う小学校では宿題として出されました。

でも小学生に人権の標語を作れというのはかなりの難題です。特に小学生低学年や中学年には親がかなり助けないと一人ではまず無理でしょう。

ほとんどの子供は「標語を書いて(作って)ね」といっても、黙ったままどうしていいか分からなくなると思います。

親が標語を考えてあげるのは簡単ですが、どうせなら子供には物の調べ方、発想方法、考えのまとめかたを身につけられるように、試行錯誤をしてみたいと思います。

そこで今回、小学生低学年の子供と不完全なマンダラートを作って、発想方法を用いながら標語を作ってみました。

マンダラートとはなにか

マンダラートとは、目標達成や問題解決に使うことが多いツールです。ただどちらかというとアイデア発想法として使う事も多いです。

マンダラートは、まず9×9のますを作ります。大きなテーマあるいは課題を決め、それを中心に書きます。ここでは「人権」としてみます。

次に、その周りに人権から連想するもの「キーワード」1〜8個を書いていきます。ここでは1〜8番の番号をつけています。

その後、周りのますに1〜8番までのキーワードを入れて、さらにそこから分岐・連想するキーワードを入れていきます。

またキーワードの代わりにアイデアを入れていくと、アイデアを具体化したり掘り下げていくことができます。例えばキーワードは集客であれば、その施策やアイデアを周りに、さらにその施策をどうすればいいかを、掘り下げて81マスを埋めていくのです。

施策や戦略を立てるときは、キーワードとアイデアを細かに文章に書いていく事もあるツールです。

子供とマンダラートを作りながら、標語を作る

マンダラートでは、アイデアやひらめきなどを書いていきますが、それは今までの経験や知識があってこそマスを埋めていくことができます。

ただ小学生に知識や体験が充分かというと決してそうではありません。そこで今回は標語を作るための発想する、まとめる為にマンダラートを使います。

今回使ったものは、国語辞書、マンダラートを作るための紙・ペン、ネットに繋がった端末です。

まず、81マスの真ん中に人権と書いて、その周りに子供が連想するキーワードを書きました。でも、低学年の子供に人権と言っても、キーワードなんて浮かぶ訳ありません。

そこで国語辞書で人権について調べて、そこから単語だけを抜き出し、人権の周りに配置します。人権と調べると「自由」と「平等」と出てきますので、それを入れてみました。

ただこれだけだとちょっと足りないので、そこで使うのがネット上にある類語辞典です。類語辞典で人権・自由・平等など似たようなキーワードを検索して、子供が気になるキーワードを選びました。またここでは親も調べやすそうなキーワード選定の手伝いをします。

類語辞典で不十分な場合は、連想検索エンジンなどを使います。例えばwebcatplusは、連想検索としてよく使います。本を探す検索エンジンなので、検索結果は本が出てきますが、本のタイトルだけでもキーワード選定には充分使えます。

選定したキーワードから、さらに発想していく

今回は標語作成なので、人権から連想、あるいは関連した言葉から、子供がどう思うかをさらに書いていきます。

例えば、3の「いじめ」というキーワードであれば、こんな風に書いていきました。ただこれを作るだけでも、最初のうち子供はすいすいと作業はできませんので、親が「こんなことがあったらどう思う?」とか、聞きながらスペースを埋められるようにしましょう。

ある程度埋めたら、出てきた言葉を標語っぽく繋げて、意味のある文章にすれば、標語の完成です。

全て埋められなくても、目的は標語を作れればいいので気にしてはいけません。
この作業だけでも1時間近くかかります

何故、発想法を使いながら宿題をやるのか

我が家の奥さんは、このような手法を使うのにあまり賛成派ではありません。このような考え方や発想方法を使ってやるのは、子供らしくないと思っているようです。

でもジェントル自身は、知識基盤社会と言われる今の社会の中で、学校教育が大きく変わり、知識の伝授のみの講義や授業ではなく、双方向のアクティブ・ラーニングを行う今は、考え方、発想方法、考えのまとめ方は小さいうちから少しずつ訓練する機会が必要だと考えます。

そのための発想法やアイデアを出していくツールである、今回試行してみたマンダラートだけではなく、セブンクロス法、KJ法、ロジックツリーなど様々なものがあります。

まあツールを知っていても、そのためには知識や教養がないと単に小手先だけテクニックを知っている残念な人になってしまいますので、勉強も不可欠ですね。