英語を学ぶとは

親は知っておきたい、自分達の受けた教育とは違う小学生の英語の授業と内容

平成29年3月に告示された新学習指導要領によって、小学校中学年に外国語活動、高学年に外国語科が導入されました。2018及び2019 年の学習指導要領移行期を経て、2020 年度から全面実施されることになっています。

昔は年に数回外国人講師を招いて英会話に触れる程度だった学校での外国語活動が、本格的に学習としてカリキュラムに取り入れられるようになったのは平成23年度の学習指導要領改訂からでした。それから今回の改定に至るまでは小学校5、6年で年間35単位時間の外国語活動が必修とされてきました。

つまり今回の新学習指導要領では、外国語活動に取り組む時期が早められ、さらに小学校5年生からは英語を正式教科とすることになります。

これからの社会と教育

街で外国人を見かけることが当たり前になり、コンビニやファミレスなどでも外国人の店員を起用している企業が多くなってきたことは皆さん感じていることと思います。

こうしたグローバル化に加え、人工知能(AI)の台頭や人口減など、これからの社会はさらに変化を遂げていくことが多方面で予想されています。それにともなって、将来社会に出る子どもたちに求められる資質や能力も当然変化してきているのです。

そのように変わりゆく社会に対応すべく今回の指導要領改訂が行われたわけですが、平成23年度の学習指導要領の改訂による「脱・ゆとり」路線を受け継ぎ、学びの量と質の両方を求める内容で、今後学校現場でどう実現していくかが課題とされています。

小学生3・4年生の科目「外国語活動」とは

まず、学習指導要領で用いられる「外国語活動」とはどのようなものなのかご説明したいと思います。

外国語活動とは、簡単にいうと「英語に親しむ活動」になります。知識の定着だけでなく、知識を活用して探究活動を行う「主体的・対話的で深い学び」を全教科通して推進していく流れは小学校だけでなく中学校、高校でもみられています。

グループ活動や発表などを授業にバランス良く取り入れたアクティブ・ラーニングは全国的に注目されているのです。外国語活動ではそういった主体的で対話的な学習が主に行われます。

教科として学習する前に、外国語によるコミュニケーションを体験することの意義の大きさは既に前指導要領による実践で証明されており、指導要領改定後の外国語活動でも音声面を中心とした外国語を用いたコミュニケーションを図る基盤の育成を目指します。

このとき教員が、児童が興味・関心をもつ題材のもと、児童がやってみたいと思う活動をいかに設定することができるかが外国語活動の成果を左右すると考えられます。

小学生高学年の科目「英語」の読み書きは何するの?

小学校5、6年の新教科「英語」ではこれまで小学校では行われてこなかった英語の読み書きの学習を加え、教科書も使って授業を行い成績もつけていきます。授業は改定前週1コマだったのを2コマに増やし、外国語活動から合わせて4年間で約600~700語の単語を身に着けさせる方針で行われます。

今後、中学校の英語は授業を英語で行うことを基本とするため、小学生の時点で英語の読み書きにまで学習の幅を広げる必要が出てきたのです。中学校で学ぶ単語の数も以前より増えますし、小学校高学年での英語の読み書きに関する学習はそのための練習であることは明らかです。